私の教育ポリシー

 教員としての私を知っていただくために、私が教育職に携わる上で大切にしていることを2つご紹介します。これは私自身が体験の中で培ってきたことでもあり、多分何処へ行っても同じ事を言い続けていると思うことです。毎日があみだくじ、毎日が言葉探し。“ネタ帳”片手に今日も一日、生きとし生けるものからいただいた命を、我が身の命として使わせていただきます。


人生はあみだくじ どちらを選択しても間違いじゃないから大丈夫!

 

 私は22歳の時に、北海道十勝の上士幌町で、高校の音楽教員として社会人1年目をスタートしました。初めは、地域社会と距離を置いてしまい、何もできない自分にモヤモヤとした気分を募らせていました。そんなある日、私は決意しました。どこまでできるかはわからないけれど、「その土地の人間になりきろう」と。そして、音楽に対する自分の思いを胸に、地元の方々とのお付き合いが始まり、自然な流れとして音楽による地域貢献の場も出来上がっていきました。今でも、この上士幌町は「第2の故郷」だと、勝手に思っています。当時の町教委の社会教育課長(現町長)は、私淑する師匠のお一人です。

 

 卒業する学生たちにも、「まずその職場の人間になり、その土地の人間になりなさい。でも、自分は自分として持ち続けなさい」と訴えています。

 もし私があの時に違った道、例えばその土地に馴染もうとせず、毎週のように札幌へ帰っていたらどんなことが待ち受けていたでしょう。それはそれでまた違った道が開けていたと思います。でも、自分の道は同時に2つは選べません。ただ、自分がその時に張っていたアンテナに自分が導かれていくだけです。

 良いも悪いもありません。その選択を他人のモノサシで測ろうとするから苦しいのであり、自分で自分を説得してしまうのです。

 自分の道は自分で決める。「説得」よりも「納得」を!

 

失敗は失敗の元

 

  ある卒業生との話です。その卒業生は、その当時、心に病を抱えていて、大学へ通学することができなくなりました。しかし、ご両親やお医者様のご努力や本人の頑張りもあり、今ではワーキングホリデーに出かけ、自分の将来をしっかりと考えることができるまでになりました。学生曰く、「周囲の人たちは、自分に対して同情というか、慰めというか、やたらと「かわいそうに」という言葉や雰囲気を投げかけてくるのですが、自分としてはちっとも「かわいそう」とは思っていません。」と言っていました。周囲にとってはおおきな「失敗」と映るのでしょうが、本人にとっては、一つの「ステップ」ってことがたくさんあると思います。それを「失敗」にしてしまうのは、周りの人たち。何でも先回りして「失敗」しないようにしてしまう大人の中では、学生は学びたくても学ぶことが少なくなってしまうと思うのです。大抵は「失敗は成功の元」と言われますが、私は敢えて「失敗は失敗の元」と言っています。失敗したというイメージだけしか持てない人は、また失敗する。成長する人は、失敗とは思わずに、それを単なるステップとしか思わないと考えます。

 ではどうすれば失敗とは思わなくなるのか。それは自分にとって良い言葉を持つことです。言葉があなたという人を作っていくのです。


河本語録(良く言う口癖)

◇何を学ぶかよりも大切なこと、それは誰に学ぶかである。

【意味】「学ぶ」とは、新しい知識や技能、態度を身に付けること。どの大学や短大で学んでも、同じ免許・資格を取得できます。でも、その免許・資格を使って、 どう働くかは人によりけり。知識や技能、態度を操っているのは、その人のマインド(感じ方、考え方)です。これは、誰に学んだかによって大きく変わってく るという考え方です。

 

◇肉声による言葉には、意味に加えてニュアンスが込められている。

【意味】「身体」は食べ物でできています。では、「心」は・・・・。私は、「ことば」でできていると思います。あなたが使っている言葉は、あなたの将来を創る と思います。だから愚痴や悪口は絶対禁物! 言葉は意味だけを伝える道具ではもったいない。肉声になると、そこにパワーが吹きこまれ、様々なニュアンスが 込められます。

 

◇絶対やめよう、「悪口」「陰口」「減らず口」

 愚痴はたまにはいいけれど、言い過ぎはは幸せ逃す

【意味】卒業生へ向けたメッセージです。どんなに仕事を頑張っても、これから先は、自分で「運」を良くしていかないと成功しません。運は人によって運ばれてきます。「悪口」「陰口」「減らず口」は、発した瞬間はスッキリするかもしれないけれど、必ず自分に帰ってきます。

 

◇一人の質問、みんなの声

【意味】今、あなたが感じている疑問は、きっと他の人も感じているはず。それを言葉にすることで、その集団全体の学びが向上します。そして、質問は慣れて くると、どんどん質の高い質問ができるようになります。それは、相手に対する発問(言葉がけ)の工夫にもつながります。

 

◇お代は要りません。その代わりに話題をください

【意味】私の研究室(別名:Cafe)は、学生や卒業生の集まる場でもあります。何気ない会話を弾ませるのは、先輩や足繁く顔を出す学生が持ち込んでくれるおやつ達です。おやつは食べ放題。飲み物はお出しします。お代は要りませんが、その代わりに話題をくださいというのが、このCafeのルールです。