福住駅から清田2条1丁目、乗車時間10分
トヨタ、レクサス、ベンツ、アウディ、日産、ホンダ、ボルボ、キャデラック
私が通勤に使っているバスの車窓からは、短時間にこんなに多くの自動車のショールームが見えてきます。
車のかっこいいスモールランプだけが点灯しているお店
早くも従業員が出勤して、車のホイールを磨きあげているお店
サービスフロントが開いていて、つなぎ(オーバーオール)を着た従業員が見えるお店
人影は見えずただ朝陽だけが差し込んでいるお店・・・・。
車だけではありません。中にに見える椅子やテーブル、開店準備中の従業員や、開店後に商談に訪れるお客さんの姿までもが、“全面ガラス張りの巨大な水槽”の中では、一つの風景に見えてきます。改めて考えてみると、開店前の様子が丸見えという業種はあまり思いつきません。
従業員の方々は、いつも自分たちが外からの視線を気にされているのだろうかなどと思いを巡らせながら、私はあることを考えました。
「最近は自分で運転する機会が減ったせいか、毎朝見ているはずの新車がどんな車だったか、思い出せないなぁ。」
そう、見ようとしていないから見えてこないのです。おそらく、ショールームに並ぶ車は、最新の技術とクールなデザイン、魅力いっぱいの車が多数あるのでしょう。でも、いくら良い車でも見えているだけでは、乗りたいとも、買いたいとも思わないのです。
これは、教育内容にもあてはまります。うちの大学はこんなに特徴のある教育をしていて、こんな就職実績がありますといくら連呼しても、「見よう」という気が起きなければ、それは無いのと同じこと。見たいと思ってもらえた時に初めて存在価値を示します。
ちょっと寂しい話にも聞こえますが、いくら良い教育内容を打ち出しても、それを「見よう」(必要)としてもらわなければ、開発者の自己満足だけに終わってしまうということです。
では、どうしたら「見えている」を「見える」という状態へ持っていけるのか。その方法の一つは、私は、月並みですが人との繋がりを作ることだと考えています。
自動車ディーラーの営業の方が、こんな言葉を教えてくれました。
「営業の使命はお客様の問題解決のお手伝いをさせて頂く事、
実は、この営業の方も、人伝で紹介された方なのです。お会いしたその日に、この営業マンは何か違うと感じました。自動車ショールームと大学、案外共通する点があるのではないか、そんなことを考えながら、帰路のバスに乗車します。
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