「ことばの力」の師 和野内前理事長を悼む

 本学園 和野内 崇弘 前理事長におかれては病気療養中の処10月17日ご逝去されましたので、ここに謹んでお知らせ申し上げます。

 

 私淑する師を失った悲しみと、師からの教えを振り返る意味で、2005(平成17)年度幼児教育保育学科の学生へ向けて語った『理事長講話』の一端をご紹介します。全文は、総合表現演習2005年度記録集(付属図書館所蔵)に掲載されています。

 

 

・このままでは日本は滅びる。みなさんにその実感はありますか。国家の基本は教育にあるのです。しかも、乳幼児という教育の一番の基礎を担う職業にみなさんは就こうとしているのです。
・みなさんの中に働くことの意義を教えられた記憶のある人はいますか。
・挨拶や服装に気をつけるということは、これは人に不快感を与えないということです。
・みなさん、親と戦ってください。それはそれくらいしっかりとした使命感をもてという意味です。
・本学の教育のモットーは自立。自立とは、自分で働き生活するということ
・情報の「情」の意味は、感情や心。情報とは、それを報(しら)せるということ
・生きるとは、同時に死へ向かっていくことです。今日も一日よく生きたということは、それだけ死に確実に一歩近づいたということです。
・眼前にいる子どもたちのことで精一杯だと思いますが、幼稚園も保育園も教育の一端を担うということです。
・先生という仕事を演じてください。
 振り返ってみると、私が発している言葉の源泉は、ここにあると言っても過言ではありません。まさに、「ことばの力」のある方でした。
 良き師に出会えたことに、改めて感謝します。
 (合掌)